南アルプス【笊ヶ岳】(テント一泊)
2008年7月25日~27日
日本二百名山・山梨百名山【笊ヶ岳2.629m】
テント一泊で登ってきました。予想以上にきつい山でした。また、登山者は意外に少なく布引山のテント場は私のみで静かで快適な夜でした。
笊ヶ岳山頂部と小笊・富士山
一日目(25日)は移動日
朝、仕事を終え帰宅後今夜の食料を仕入れながら馬場(老平)登山口駐車場へと車を走らせた。14時30分頃駐車場に着く。土曜日なので他にも車が止まっているかと思っていたががら空きだ。木陰で椅子テーブルを出して遅めの昼食とビール。美味い。
老平駐車場(うまく止めれば10台位は止められそうだ)直ぐ先にはゲートがある。)トイレはありません。
駐車場からは雨畑湖が見える。
駐車場に着いたときはガスで見えていなかった布引山が夕方には見えてきた。
二日目(26日) 布引山テン場まで
コースとタイム
老平(P)4:50→林道終点5:19→一軒家5:28→広河原6:26→山の神7:35→桧横手10:52→布引山13:43
歩行距離:13.068㎞ :歩行時間:8時間53分 歩行速度:1.4㎞/h
軌跡データ
垂直プロファイル
スタート標高:511m 累積標高(+)2.267m(-)199m
夜中に目覚めて空を見上げると満点の星空。天気は期待できそうだ。もう少し横になるが車が二台ほど来てドアの開け閉めが激しく眠れない。釣りの人達らしく準備しているようだ。〇時を過ぎたばかりで周りには民家もあるのでもう少し考えてほしいものだ。四時に起きて準備しながら軽い食事。明るくなってきたので歩き始めるがさすがに20㎏を超えると重い。
奥沢谷林道ゲート
タケニグサ
手強そうな布引山への稜線が林道から見える。
これから通過する山の神・桧横手・布引山が素晴らしい。が、あの急登をこの荷物で行けるか心配だ。
林道終点には一台の車が止めてある。この車が老平の人が言っていた関係者に鍵を開けて貰って登っている人の車だろう。
ここから登山道を進んでいく。まだ広河原徒渉点までは緩やかな登山道が続くが狭いところや落石箇所があるので注意だ。
最奥の一軒家(現在は誰も住んでいない)
平坦な狭い登山道を進んでいく。手すりがあるがこれでも滑落事故が起きているらしい。要注意箇所が続く。
ここも要注意箇所。上を確認して素早く通過。
広河原徒渉点に着いたが飛び石が滑るので注意だ。ここから急登が始まるので対岸へ渡り大休憩。
この上に3張り程度張れる場所がある。知っていたら昨日の内にここまで入っていた。
さー 気合いを入れて山の神へジグザグに登っていく。陽は差しているが木々が遮ってくれているのでそれ程暑くはない。
山の神に到着。昨夜の寝不足でバテ気味だ。この分だと途中で断念するかも知れないな。ま~行けるところまで行ってみよう。
山の神を過ぎると初めての展望で右側にランカン尾根が見えた。少し元気だ出る。
展望のない急登をゆっくり登っていくと左側がガレているところに出だ。林道から見えていた山の神の上のガレ場のようだ。
八紘嶺・七面山の稜線だろうか。
10分歩いては休みを繰り返し急登を登ってきたが少し緩やかになってきた。もうすぐ桧横手だろう。ここにも一張り程度張れそうだ。
バテバテでどうにか桧横手に到着。ここにも三張り程度張れるな。ここにテントを張り明日ピストンしょうか?。む~悩むな~。バテバテではあるがまだ11時前だ。今のペースで登っていくと14時には着けそうだ。よし進もう。
ほんの少し下るが直ぐに急登が始まる。少し登ったところで昨日のグループ(2名)の小父さんがテントの横で休んでいた。今、笊ヶ岳をピストンして戻ってきたとのこと。やっぱりバテて布引山まで行けずここでビバークしたらしい。
ギンリョウソウ(そう言えば花が殆ど無いな~)
ゴゼンタチバナ
ミネウスユキソウ
おッ ガレ場だ。と言うことは布引山はもうすぐだ。花も増え始め展望もそこそこ出てきた。一気に元気が出てきた。
ミネウスユキソウ
聖岳・中盛丸山・大沢岳だろう。
所の沢越分岐手前のガレ場(布引ガレ)だ。疲れているので慎重にゆっくりと通過。
タカネニガナ
素晴らしい。頑張って来た甲斐があった。聖岳・上河内岳・茶臼岳。思い出すあの南ア縦走
キバナノコバノツメ
所の沢越分岐だ。ここは右手へと進んでいく。
着いたど~ 予定の山頂(布引山)ちょっと寂しい山頂部。富士山方面はガスがかかり展望は無いが木々の隙間から南アルプスの山々が少し見えている。
満杯の75Lのザック(中身)テント・シュラフ・水・酒・食料・バーナー・コッフェル・着替え・他もろもろ)飲みたいがもう少しのガマン。テント設営が先だ。完了後全部出して一杯ウヘー最高~~~~~~
数年ぶりのテント泊は私一人で静かで最高大自然を満喫。
夜はガス・風が強く木々に着いた水滴が雨のようにテントに落ちてきた。フライシートを掛けておいて正解だ。お酒の力を借りてぐっすりと眠ることが出来た。
三日目(27日) はれ 憧れの笊ヶ岳登頂後下山
コースとタイム
布引山4:50→笊ヶ岳5:33→布引山7:14(テント撤収)7:45→桧横手8:50→山の神10:14→広河原10:51→一軒家→老平駐車場(馬場)12:40
歩行距離:15.07㎞ 歩行時間:7時間50分 歩行速度:1.8㎞/h
軌跡データ
垂直プロファイル
スタート標高:2.584m 累積標高:(+)602m(-)2.653m
朝、起きるとテント場の隙間から朝焼けの素晴らしい富士山と雲海が見えていた。当然??????とホエタ
テント場からの富士山
テント場からの上河内岳
テント場からの聖岳
飲み物と非常食をサブザックに入れ笊ヶ岳へと向かう。直ぐに木々の間から日ノ出。丁度、小金沢連嶺の大菩薩嶺付近に登ってきたようだ。
一旦鞍部へと下るがその降下点からは富士山方面の素晴らしい展望が広がっていた。
左が笊ヶ岳・右が小笊
殆ど展望のない道を笊ヶ岳へと進んでいく。所々には一張り程度張れる場所が結構あった。
最低鞍部からの小笊です。手前のピークは笊ヶ岳でのピークではありません。もう少し先です。
右は小笊です。この左を登りきると笊ヶ岳山頂のはずだ。
待望の笊ヶ岳山頂。左の榛松の中に三角点標柱があります。山頂には誰もいません。貸し切り状態です。
小笊と雲海に浮かぶ富士山
山頂からは360度の大展望です。ガスがかかっているピークもあるがこれだけ見えていれば大満足だ。(左回り)
偃松尾山・生木割山・塩見岳・蝙蝠岳・農鳥岳・笹山・北岳・鳳凰三山
荒川岳・千枚岳・塩見岳 中央やや左の千枚」ガレの左側には千枚小屋が見えています。
赤石岳
聖岳
上河内岳
青灘山・大無間山・大根沢山などの山々だろう。
布引山と左は山伏だと思います。右奥は大無間山だと思います。
山伏・八紘嶺・七面山でしょうか。
影笊が上河内岳へと延びています。
荒川岳・赤石岳
櫛形山・冨士見山・金峰山・奥千丈岳・甲武信岳などの山々だろう。
笊ヶ岳のテント場から小笊へと入口。少し進んでみたが藪が酷いようだったので辞めた。
赤石ダムが見えています。
鳳凰三山・農鳥岳・塩見岳の大展望。本当に諦めずに登ってきて良かった。
約1時間の山頂だったがそろそろ戻ろう。
布引山
この付近で4人のグループとすれ違った。布引山までたどり着けず桧横手で幕営したらしい。また、一人は残っているとのことだった。
ゴゼンタチバナ
戻る途中の木々の隙間から赤石岳
聖岳
赤石岳
聖岳
赤石岳
聖岳
私のテントです。フライシートを掛けてあります。夜は寒くてシュラフの中に潜り込みました。
食事後、テント回収し下山にかかる。
布引山三角点を後にガレ場へと向かって下りていく。
所の沢越分岐は左へと進んでいく。この付近で一組の夫婦とすれ違う。
コバノコゴメグサ
ガレ場からもう一度聖岳・上河内岳を振り返る。ここを過ぎると殆ど展望は無い。
ガレ場を慎重に通過。これから永遠の下りが始まる。
コバノイチャクソウ
桧横手のテント場。4人のパーティーのテントだ。声を掛けると留守の小父さんが出てきた。元気なようなので安心して桧横手を後にする。直ぐしたは夫婦のテントが張ってあった。
だいぶ膝に来ているようだ。造林小屋跡付近は下りの時は注意だ。迷いやすい。どうにか山の神まで下りてきたが膝が限界だ。山の神を下りていると登山道を整備してくれている人達があせ流しながら頑張ってくれていた。非常に有り難いことだ。上方の登山道状況を聞かれたので倒木など無く殆ど問題ないでしたと告げて下りていく。しかし、膝が笑って踏ん張りが聞かない状態になってきた。場所に寄っては横歩きしながら下りていく。
やっとの思いで徒渉点にたどり着いた。膝はよく頑張ってくれた。ここからはなだらかな道なので一安心だ。冷たい水で頭顔体を拭きながら大休憩。踏ん張りが効かないので靴を脱いで渡ろうか迷ったが石を投げ込み渡れる状態にして脱がずに渡った。
整備してくれていた方々は10人位で行きと違ってだいぶ歩きやすく弱った膝には非常に有り難かった。そして、色々話を聞くと日帰り登山している方の遭難事故が多発しているとのことだった。確かにテント泊まりでもこれだけの疲労(膝など)が出るわけだから日帰りはかなりの負荷かかかるのだろう。
キンポウゲ
ゲートだ。無事登頂し下山できた事は地域の方々のおかげだ。(感謝 車に乗ると雨が降り出した。もう少し遅れていたら降られていただろう。
本当はこのまま帰宅の予定だったが運転もしたくないほど疲れたので本栖湖湖畔で飲みながらのんびりと過ごし翌朝早朝に帰ることにした。ここからの夕焼けの写真は本栖湖湖畔からで北岳方面になります。
翌朝早朝本栖湖は若干のガスがかかっていたので精進湖へ移動。
精進湖と足和田山・富士山
この記事へのコメント
噂に聞く「笊ヶ岳」、タフでスピードの有るやまやさんでもご苦労のご様子、とても、私には近づけそうも無い所、よく判りました、でも、多くの方々がトライなさって居られる様子もよく判りました。
それにしても、今年の天候不安定にも関わらず、お天気に恵まれ、本当に良かったですね、眺めの良い所と聞いてましたので、じっくり拝見させて頂きました、やはり、どんな山でも、折角の素晴らしい眺め、素晴らしい写真、これがその山に対する礼儀ですよね、嵐の中登って三角点に触って帰る?、NHKに出てくる爺さん、私は大嫌いです。
訪問・コメント有り難うございなす。
確かにきっかったですね。でも、頑張って登って素晴らしい天気・展望に巡り会えました。
山頂テン泊で椹島からの方が水場が豊富なので若干楽でしょうね。
是非、チャレンジしてみてください。私もこちらから再度登って見ようと思っています。(何時になるか分かりませんが?。
NHKに出てくる爺さん、三角点に触って帰る人は三角点マニアと言うことでほっときましょう。
でも、こう言うのをNHKが行うのもいかがな物か私としては疑問です。